歎異抄
- 善悪のふたつ、総じてもって存知せざるなり
- さるべき業縁のもよほさば、いかなるふるまひもすべし
- 本願を疑ふ、善悪の宿業をこころえざるなり
- よきこころのおこるも、宿善のもよほすゆゑなり
- 卯毛・羊毛のさきにゐるちりばかりもつくる罪の、宿業にあらずといふことなしとしるべし
- 今生に、いかにいとほし不便とおもふとも、存知のごとくたすけがたければ、この慈悲始終なし
- 回心といふこと、ただひとたびあるべし
- 親鸞は弟子一人ももたず候ふ
- 一切の有情はみなもって世々生々の父母・兄弟なり
- つくべき縁あればともなひ、はなるべき縁あればはなるる
- たとひ法然聖人にすかされまゐらせて、念仏して地獄におちたりとも、さらに後悔すべからず候ふ
- いづれの行もおよびがたき身なれば、とても地獄は一定すみかぞかし
- 善人なほもって往生をとぐ。いはんや悪人をや
- 詮ずるところ、愚身の信心におきてはかくのごとし、このうへは、念仏をとりて信じたてまつらんとも、またすてんとも、面々の御はからひなりと云々
- 日ごろのこころにては往生かなふべからず
- 久遠刧よりいままで流転せる苦悩の旧里はすてがたく、いまだ生れざる安養浄土はこひしからず候ふこと、まことによくよく煩悩の興盛に候ふにこそ
- なごりをしくおもへども、娑婆の縁尽きて、ちからなくしてをはるときに、かの土へはまゐるべきなり
- 念仏には無義をもって義とす
- わがこころのよくてころさぬにはあらず。また害せじとおもふとも、百人・千人をころすこともあるべし
- 「この道を歩む」と決める
京都府
◆ 京
日野の里で生まれる
9歳の時、慈円のもとで出家する
29歳の頃、法然と出遇う
60歳を過ぎた頃、関東から帰り、以後精力的に執筆を行う
滋賀県
◆ 比叡山
10代、20代の日々を修行と学問に励んで過ごす
新潟県
◆ 越後国府
専修念仏の停止によって流罪となる
茨城県
◆ 稲田
関東での布教の拠点となる草庵を結ぶ
◆ 鹿島神宮
「教行信証」執筆のためたびたび足を運ぶ
◆ 小島
郡司が草庵を設けて親鸞を迎え、親鸞が3年ほど住む
◆ 大山
法然の門下を頼って草庵を結び、関東布教の中心とする
群馬県
◆ 佐貫
「浄土三部経」の千部読踊を発願するも、やがて中止する
神奈川県
◆ 箱根
関東から京へ移る道中、杜人に迎えられて3日間を過ごす
長野県
◆ 善光寺
布教のため関東に移る道中で立ち寄ったとされる