診断知識2

生産・技術事例

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中小企業の診断及び助言に関する実務の事例Ⅲ


【科目設置の目的】
生産・技術に関する経営戦略
解答例はありませんので、与件分を整理し答えを導きだしましょう。
解答なし
【平成18年度】(制限時間 80分)
【概要】
 C社は、昭和29年に大都市圏の旧市街地近くにおいて電気亜鉛めっき業として創業した。
当初は、電気亜鉛めっき加工のみであったが、昭和51年には事業領域の拡大のために電着塗装加工に取り組み、現在では、電気亜鉛めっき加工と電着塗装加工を主力事業としている(めっき、塗装は、加工品の耐錆、耐食などの機能をもつ表面処理技術である)。
 現在のC社は、昭和38年に地域内に開発された工業団地に移転した本社工場と、平成7年に設立した地方工場(本社工場から直線で約80km)との2工場体制によって、主に国内各地から持ち込まれる自動車部品の低コスト対応と短納期対応を特徴とした表面処理として着実に発展している。
従業者数は、本社工場55人、地方工場25人、あわせて80人である。
このうち、経営者を含めた総務、経理、営業などが10人、残りが製造部門(間接5人、直接65人)に属している。
年商はおよそ12億円で、売上高経常利益率も10%近くを計上するなど、ここ数年は好調な業績をあげている。
 ところで、電気亜鉛めっき加工のみを手がけていた時代、C社は大手自動車メーカー後、オイルショックによる急激な売上減を契機に、得意先開拓に乗り出し、得意先数をそれまでの30社から75社までに増やすとともに、Y社に対する売上高の割合を約4割にとどめることに成功した。
また、得意先数の増加だけでなく、X社グループへの依存度も6割程度に下げ、他の自動車メーカー3グループへの依存度を約4割に上げるなど、得意先の幅を着実に広げてきている。
こうした取り組みは、単に量的な確保のみでなく、生産面(稼働率の向上など)、収益面(利益率の向上など)にも貢献している。
 しかし、国内生産が好調な今日の自動車産業にあって、Y社から生産拡大が強く求められている。
C社は最大依存先のY社からの要請であるだけに、その対策に苦慮している。
 また、C社は、自動車メーカーの相次ぐコストダウン要請と海外生産のさらなる進展といった中で、今後の発展のあり方を模索している。
この点、C社はあくまでも国内での生産対応にこだわり、今後とも海外に進出する計画はない。#3

【めっき加工と塗装加工の特徴と課題】
 現在、C社の主要設備は、本社工場と地方工場をあわせて、全自動亜鉛めっき装置6台(本社3台、地方3台)、全自動電着塗装装置3台(本社1台、地方2台)である。
こうしたコスト重視の全自動ライン中心の編成は、C社の生産体制の特徴の1つにあげられる。
2つ目は、多様な金属めっき分野の中で、亜鉛めっきのみに限定している点である。
これについては、単一加工による生産性を考慮した経営戦略として理解することができる。
3つ目は、C社の亜鉛めっきが、被膜をほぼ一定の厚さ(およそ8ミクロン)とする自動車部品を主に手がけていることもあり、加工品の大小、形状、ロット数にかかわりなく生産ラインのスピードが一定であることがあげられる。
もちろん、めっき槽の液濃度については、投入する加工品によって管理されている。
 C社の電気亜鉛めっきの生産工程は、引っ掛け(吊掛け)、前処理、亜鉛めっき、硝酸処理、クロメート処理、仕上げ処理、乾燥、吊降ろしという流れになる。
このうち、前処理から乾燥までが自動で、その前後工程が人手による作業となる。
なお、クロメート処理とは、六価クロムを使用し、耐錆、耐食を目的とした後処理を意味している。
一方、電着塗装の生産工程については、自動装置内の加工処理(めっきと塗装)の違いはあるものの、手作業部分は共通している。
 今日の自動車業界では、欧州市場を先駆けに、地球環境負荷物質である六価クロムを一切含有しない「三価クロメート処理」への転換が急務になっている。
現在、C社では得意先からの転換要請に対して、社内の技術開発体制(2人で品質管理・めっき液や塗装液の管理を兼務)が十分でないため、公設試験研究機関の支援のもとに技術的課題の解決に取り組んでいる。
こうした取り組みは徐々に成果をあげつつあるが、被膜の強度面、発色の安定面、コスト面など、解決すべき課題を数多く残されている。
C社にとって、自動車業界における環境対応・技術革新に向けての体制強化は、次代の存立・発展にとって重要な課題にあげられる。

【受注から納品までの流れ】
 自動車メーカーから部品メーカーへの部品発注の多くは、品質・納期はいうまでもなく価格対応が強く求められる。
C社へは、部品メーカーからの見積依頼、価格見直しのやりとりなどがあった後、発注されることになる。
 現在、部品メーカーからは、年、上期、下期、3ヶ月(月単位での数量表示)単位で生産見通しが内示されている。
C社では、こうした内示を基礎に、生産計画が立案されるが、日々の生産の実態は、加工品が納品された翌日(搬入日から数えて2日目)にラインに投入し、翌々日(納期3日)には納品するという短納期体制が基本になっている。
これは、めっき加工、塗装加工に共通している。
しかし、短納期といっても実際には、納期3日が6割程度、納期2日が1割程度、残り3割が納期4日以上である。
 両工場間の生産割り振りは、本社に集約されている受注書および受注残の情報、そして得意先の工場とC社の2工場との搬送時間や搬送コスト等を考慮しながら実施されている。
住宅に隣接する本社工場では午後9時頃が操業の限界であるに対し、地方工場では24時間操業が可能になっている。
C社は、自動車産業における小口納品の増加に加え、生産平準化を目的とした生産割り振りが事態を複雑にしているため、情報システムの整備を急いでいる。

【第1問】
 経営環境の変化が激しい中にあって、C社が好業績をあげている理由を2つあげ、それぞれについて30文字以内で述べよ。

解答欄:

【第2問】
 C社は、Y社から生産拡大を強く要請されている。こうした増産要請に応えることは、C社の今後の経営にとってどのような影響を及ぼすことになるかについて、120文字以内で説明せよ。

解答欄:

【第3問】
 海外生産が進展している自動車産業にあって、C社は今後とも海外に進出せず国内生産による発展を構想している。国内生産のみでC社が発展し続けるためには、どのような点を強化すべきか、理由をあげながら120文字以内で説明せよ。

解答欄:

【第4問】
 C社は、六価クロムを使用したクロメート処理から、環境負荷の少ない三価クロメート処理へ転換するための技術開発に取り組んでいる。C社のこうした技術開発について、あなたはどのようにアドバイスするか、120文字以内で述べよ。

解答欄:

【第5問】
 C社では生産の平準化と小口輸送を考慮した生産割り振りのため、情報システムの整備が課題になっている。このために管理すべき重要なデータ項目をあげて、120文字以内で説明せよ。

解答欄:

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