- 中央処理装置(CPU)
(1) 制御装置
中央処理装置(CPU)は制御装置と演算装置から構成されている。
(2) プログラムの制御・実行
コンピュータが実行できるプログラムは、機械語のプログラムであり、
0と1で表現されています。
命令語は、四則演算など処理内容を指示するオペレータ部(演算)と、
処理対象データ、演算結果、次の命令語の位置を示すアドレス部(被操作部)
とからなる。
(3) 演算装置
演算装置は、算術演算、論理演算、大小比較、桁移動(シフト)などの処理を
実行する。
(4) 論理回路
真と偽あるいは1と0のように、2つの状態のうちどちらか一方の状態をとるものが
あるとき、それがとっている状態を論理値と呼んでいる。
そして、入力された1つ以上の論理値に対して演算を行い、論理値を求めることを
論理演算という。
①AND回路 : 論理積を求める回路である。
0:0=0、0:1=0、1:0=0、1:1=1
②OR回路 : 論理和を求める回路である。
0:0=0、0:1=1、1:0=1、1:1=1
③NOT回路 : 否定の演算を行う回路である。
0:1=1、1:0=0
④NAND回路: 否定論理積を求める回路である。
0:0=1、0:1=1、1:0=1、1:1=0
⑤NOR回路 : 否定論理和を求める回路である。
0:0=1、0:1=0、1:0=0、1:1=0
⑥XOR回路 : 排他的論理和を求める回路である。
0:0=0、0:1=1、1:0=1、1:1=0
(5) 組み合わせ回路
現在の入力状態だけから出力の値が決定される回路のことをいう。
(演算器、デコーダ、加算器、エンコーダ(符号器))
(6) 順序回路
過去の回路への入力状態の変化が出力の値を決める回路である。
(フリップフロップ回路、カウンタ)
(7) 論理回路素子
・第一世代・・・・・真空管
・第二世代・・・・・トランジスタ(集積していない状態)
・第三世代・・・・・集積回路(IC:SSI、MSI、LSI)
・第四世代・・・・・VLSI(超LSI)
(8) レジスタ
置数器ともいい、中央処理装置内で1語あるいは数語の情報を記憶する装置
である。
(汎用レジスタ、指標レジスタ、命令レジスタ、命令アドレスレジスタ)
- 主記憶装置
(1)
プログラムやデータなどを記憶するための領域である。
記憶できるひとかたまりごとにアドレスがつけられる。アドレスを指定することで
データを記憶したり、データを取り出したりすることができる。
アドレスがバイト単位につけられたコンピュータをバイトマシン、ワード単位に
つけられたコンピュータをワードマシンと呼んでいる。
- 記憶装置の種類
(1) RAM
プログラムやデータの読み出しや書き込みを行うことができる記憶装置である。
揮発性の記憶装置であり、電源を切ると記憶内容が失われる性格をもっている。
・ダイナミックRAM(DRAM)
コンデンサに電荷が蓄えられることを利用した記憶装置であり、
短時間でデータの記憶内容が消失するので、適当な時間間隔でデータの
書き直しを行うリフレッシュの必要がある。
・スタティックRAM(ARAM)
2つのトランジスタによるフリップフロップ回路を多数組み込んだ記憶装置で
あり、リフレッシュが不要である。
(2) ROM
読み出し専用の記憶装置である。
あらかじめプログラムやデータを記憶させた記憶装置であり、電源を切っても
その記憶内容は保持されるという性格をもっている。
・マスクROM
製造時にその記憶内容がセットされるROMである。
・PROM
ROM書き込み器で記憶内容の変更が可能なROMである。
一度書き込んだ内容は修正できないものと、書き直しの可能なEPROMがある。
- 補助記憶装置
(1)
外部記憶装置ともいい、主記憶装置を補助するために、プログラムやデータを
記憶しておく装置である。
- 記憶階層と仮想記憶
(1) 記憶階層
コンピュータでは、それぞれの記憶装置の特徴を生かして、システム全体として
の効率を上げるために、記憶装置を階層的に構成している。
・レジスタ記憶
処理中のデータの一時記憶場所として用いられるレジスタによる記憶である。
・バッファ記憶
主記憶装置と入出力装置との間のように、データの流れの速度の違いの調整
なおどに用いる記憶装置である。
①キャッシュメモリは、主記憶装置と制御装置との間のデータの流れの差を
埋めるために用いられる記憶装置で、制御装置なみの高速なアクセスが
可能である。
②スプールは、プリンタなどの周辺装置と、中央処理装置の間の処理速度の
違いを調整するために用いられる記憶領域で、補助記憶装置を緩衝記憶
として用いられるものである。
(2) 仮想記憶
コンピュータの主記憶装置には一定の記憶容量しかないため、大きなプログラム
や大量のデータを記憶するには限界がある。そこで、主記憶装置の記憶容量
よりも大きなプログラムでも実行可能なように仮想記憶方式が考案された。
・ページング方式
補助記憶装置上の仮想記憶アドレス空間と、主記憶装置上の実記憶
アドレス空間を、ページと呼ばれる固定長ブロックに分割して取り扱う。
仮想記憶アドレスと実記憶アドレスとの間でアドレス変換を行って処理している。
・ロールアウト
実記憶装置の記憶内容を補助記憶装置上に記憶させることをいう。
・ロールイン
補助記憶装置の記憶内容を主記憶装置に読み込むことをいう。
- 入力装置
プログラムやデータなどを外部から与えるために用いられる装置である。
入力装置
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|–カード読取装置
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|–紙テープ読取装置
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|–OMR(光学式マーク読取装置)
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|–OCR(光学式文字読取装置)
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|–MICR(磁気インク文字読取装置)
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|–バーコードリーダ
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|–デジタイザ
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|–イメージスキャナ
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|–音声認識装置
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|–マウス
|
|–キーボード
|
|– ・・・・
(1) カード読取装置
カードリーダともいい、カードせん孔機によってせん孔されたカード上のデータを
読み取り、コンピュータに入力するための装置である。
(2) 紙テープ読取装置
紙テープリーダともいい、紙テープせん孔機によって紙テープを読み取り、
データをコンピュータへ入力するための装置である。
(3) OMR
光学式マーク読取装置のことで、マークシートと呼ばれる用紙上の欄に、
鉛筆などによってつけられたマークの有無を光学的に読み取るためのものである。
(4) OCR
光学式文字読取装置のことで、OCRシート上に記入された文字を光学的に
読み取るための装置である。
(5) MICR
磁気インク文字読取装置のことで、磁気を帯びた物質を含むインクで印字した
文字や記号を磁気ヘッドを使って読み取る装置である。
(6) バーコードリーダ
バーコード読取装置ともいい、バーコードで表示されたデータを、スキャナなど
によって光学的に走査(スキャン)して、データを電気信号に変換して入力する
装置である。
(7) デジタイザ
図形情報をコンピュータに入力するための装置である。
(8) イメージスキャナ
画像や図形などの情報を光学的にスキャンするための装置である。
(9) 音声認識装置
人間の音声により、マイクを通して直接コンピュータにデータを入力するための
装置である。
(10) マウス
机などの面の上を移動させて操作する位置入力装置である。
(11) キーボード
英数字、記号などを表すキー(押しボタン)によって構成されている。キータッチ
(キーを押すこと)によって、コンピュータに直接データを入力することができる。
- 出力装置
主記憶装置からデータを受け取り、帳票や画面など人が利用しやすい形態で表示した
ものである。
出力装置
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|–ディスプレイ装置
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|–プリンタ—インパクトプリンタ—-ラインプリンタ
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| | |–シリアルプリンタ
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| |–ノンインパクトプリンタ—インクジェット
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| |–感熱
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| |–レーザプリンタ
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|–プロッタ— X-Yプロッタ
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|–静電プロッタ
(1) ディスプレイ装置
コンピュータで処理した文字や図形をCRT液晶画面上などに表示するための
装置である。
文字だけを表示できる文字表示装置(キャラクタディスプレイ)と、図形も表示
できる図形表示装置(グラフィックディスプレイ)とがある。
(2) プリンタ
印字装置ともいい、コンピュータの処理結果を用紙上に印字する装置である。
(インパクト方式:(ライン、シリアル)、インクジェット方式、感熱方式、レーザー)
(3) プロッタ
作図装置ともいい、コンピュータ上に描かれた図形を描くX-Yプロッタと、ペン
を使用せずに静電写真方式で描画する静電プロッタとがある。